医療脱毛で効果を実感できる回数は? 3回や5回で脱毛完了するのか解説
医療脱毛をしてみたいけれど、「実際に何回通えばいいの?」「1回の施術でどれだけ効果がある?」など、効果に関する疑問がある人も多いはず。「医療脱毛は効果が高い」と言われているからこそ、「すぐに効果が出るのかな?」と期待してしまいますよね。
しかし、いくら医療脱毛でも、1回の施術で全ての毛をなくすことはできません。また、肌のケアや自己処理の仕方などに気をつけないと、なかなか効果が得られないこともあるんです。
そこで今回は、医療脱毛の効果が実感できるまでの回数や、しっかり効果を得るために注意しておきたいポイントなどを詳しく解説していきます。
医療脱毛で効果を実感できる回数は?
医療脱毛を始めようと思っても、実際に何回施術したらいいのかわからない人も多いでしょう。
どれくらいの回数が必要かは、「自己処理がいらなくなる程度で良い」「産毛まで完璧にツルツルにしたい」など、求める仕上がりによっても変わります。
まずは、医療脱毛における一般的な回数を、部位ごとに一覧にしてみました。
効果を実感できる回数 | ツルツルになる回数 | |
顔 | 6〜8回 | 10回以上 |
脇 | 4〜5回 | 8回以上 |
VIO | 6〜8回 | 10回以上 |
腕・脚 | 4〜5回 | 8回以上 |
背中・お腹 お尻 |
5〜6回 | 8回以上 |
この表の「効果を実感できる回数」は、毛量の減りが目に見えてわかり、自己処理がいらない程度になってくる回数を意味しています。
ここからは、「効果が実感できる回数」「ツルツルになる回数」それぞれについて、詳しく解説していきます。
自己処理がいらなくなるには5回以上
ムダ毛が目立たなくなってきて、自己処理がいらなくなるレベルまで仕上げるには、平均で5回以上の施術が必要です。
なぜ5回ほどで自己処理がいらなくなるかというと、1回の施術で脱毛効果を得られるのは、ムダ毛全体のうち20%と言われているからです。つまり、5回施術を受けてようやくすべてのムダ毛に効果が現れるというわけです。これは毛の生え変わりのサイクル「毛周期」が関係しているのですが、後ほど詳しく説明します。
ただし、毛質や肌質、脱毛部位によっても、回数は変動します。例えば、産毛が多い顔や、毛が密集しているVIOは、他の部位よりも回数が多くかかる傾向があります。
完璧にツルツルにするには8回以上
産毛のない完璧な仕上がりを目指すには、8回以上の施術が必要になります。
薄く細い産毛には医療レーザーが反応しにくいため、産毛までキレイに脱毛するにはどうしても回数がかかってしまいます。
しかし、多くの医療脱毛クリニックでは、脱毛の標準コースが5〜6回に設定されており、完璧にツルツルな状態を目指すには、追加施術が必要です。そのため、最初から多めの回数で契約するか、コース終了後に追加施術の料金が安くなる医療脱毛クリニックを選ぶことをおすすめします。
医療脱毛で思ったほど効果が出ない? 注意すべきポイント4つ
せっかく高いお金を払って医療脱毛するのだから、「思っていたような効果が出ない…」となってしまうのは避けたいですよね。
実は、医療脱毛で効果があまり実感できないという人は、脱毛期間中の肌やムダ毛のケアの仕方が間違っていたり、自分に合っていないクリニックを選んでいたりするんです。
そこで、医療脱毛を受ける際に注意しておきたいポイントを4つにまとめました。
- 医療脱毛のレーザーは「成長期」の毛にしか効果がない
- 毛抜きなどで毛を抜くのは絶対にNG
- 脱毛中は日焼け対策を万全に
- レーザーの種類を知っておく
では、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
1. 医療脱毛のレーザーは「成長期」の毛にしか効果がない
医療脱毛を受ける際にまず知っておきたいのが、「毛周期」についてです。こちらの画像をご覧ください。
このように毛には生え変わりの周期があり、「成長初期」「成長期」「退行期」「休止期」と4つに分類されています。
このうち、医療脱毛のレーザーが効果的にアプローチできるのは、成長初期・成長期の毛だけです。その理由は、「メラニン色素」の多さにあります。
医療脱毛のレーザーは、下の図のように毛のメラニン色素に反応する仕組みになっています。
このように、医療脱毛ではレーザーがメラニン色素と反応することで毛根にダメージを与え、毛の再生を防いでいます。しかし、退行期と休止期の毛はメラニン色素が減少しているため、レーザーが反応しづらいんです。
レーザーはメラニン色素に反応しますが、毛母細胞が活発な成長期の毛は黒色が濃く、レーザーが毛根までよく届きます。これに対して【休止期】【退行期】の毛はメラニン色素が薄く、あまりレーザーに反応しません。
つまり、毛周期のうち、メラニン色素が多い成長初期〜成長期の毛にレーザーを照射することにより、脱毛効果を高められるわけです。
成長期の毛は全体の20%ほどしかない
ここで重要なのが、成長初期〜成長期の毛は、全体の20%しかないということ。つまり、1回の施術で効果があるのは20%なので、全ての毛(100%)にダメージを与えるためには、5回の施術が必要なんです。
しかし、どの毛が成長初期〜成長期の毛かは、クリニックのスタッフでも見分けがつきません。そのため、成長期の毛が生え揃うであろうタイミングを待ち、一定期間を空けて施術を行うことになります。一般的には、2〜3ヶ月に一度のサイクルで施術を行うことが多いです。
脱毛1回につき成長期を迎えているムダ毛の割合は最大で15~20%ほど。2~3か月に1回ペースで脱毛すると、成長期のムダ毛がもっとも多いタイミングで脱毛可能です。
2ヶ月おきに5回施術を受けるとすると、効果を実感できるまでに少なくとも10ヶ月はかかることになりますね。
1〜2回施術を受けただけでは、ほとんど効果を実感できないということを覚えておきましょう。
2. 毛抜きなどで毛を抜くのは絶対にNG
ついつい毛抜きで自己処理をしてしまう人もいると思いますが、これは絶対にNGです。
毛抜きで毛を抜くと、毛根のメラニン色素も同時に取り除いてしまうため、脱毛効果が得られなくなってしまうおそれがあります。
また、毛抜きでの処理を続けていると、皮膚を守ろうとして角質層が厚くなり、皮膚の中に毛が埋もれてしまう「埋没毛」を引き起こすこともあります。埋没毛へもレーザーの照射はできますが、効果が半減してしまうことも。
埋没毛は、皮膚越しにレーザーを照射するので、肌の表面に出ている毛に比べて、発毛組織が破壊されにくいと言えます。(中略)なお、レーザー照射によって埋没毛の状態の毛穴に熱がこもり、施術後に炎症が起きるリスクもあります。さらに埋没毛が悪化して炎症を起こしている肌にはレーザーを照射できない可能性があります。
特に、埋没毛によって炎症などを起こしている場合は、その箇所にはレーザーを照射できないこともあります。
また、毛抜きで毛を抜いてしまうと、先ほど説明した毛周期が狂ってしまうこともあるんです。
毛抜きでムダ毛を毛根ごと引き抜くと、毛周期が大きく乱れ脱毛効果が下がります。
せっかく毛周期に合わせて施術したとしても、効果を実感しにくくなってしまうため、毛抜きで毛を抜くのはやめましょう。
3. 脱毛中は日焼け対策を万全に
脱毛期間中は日焼けに気をつけることも、効果をしっかり得るためには重要です。
まずはこちらの画像をご覧ください。
上の画像は、日焼けが与える肌へのダメージを表したもの。左側が健康的な肌、右側が日焼けでダメージを受けた肌です。
日焼けをするとバリア機能が低下して水分が失われ、外部の刺激を受けやすいデリケートな状態になります。さらに、黒くなった肌にレーザーが反応してしまうことも。このような状態の肌に照射すると、痛みや火傷などの肌トラブルを引き起こす危険性が高くなるんです。
そのため、レーザーの出力を通常時よりも下げなければならず、脱毛効果を十分に得られなくなってしまうこともあります。
日焼けをした肌は、紫外線の影響で炎症を起こし、皮膚表面にメラニン色素が大量に増殖した状態です。このような状態で医療脱毛の施術を受けると、毛だけではなく肌表面のメラニンにレーザーが反応して火傷する恐れがあります。(中略)
日焼け後の肌の色の濃さによっては、火傷を避けるためにレーザー照射の出力を弱めて施術しなければならないことがあります。
日焼けがひどい場合には、施術自体ができない場合もあります。脱毛期間中は、日焼け対策をしっかり行うようにしましょう。
4. レーザーの種類を知っておく
意外と見落としがちなのが、肌質や毛質のレーザーとの相性です。
実は、医療脱毛で使われるレーザーには、大きく分けて以下の3種類があり、それぞれ特徴が違うんです。
上の画像を見てわかる通り、それぞれのレーザーは「波長の長さ」が異なり、それによって効果の現れ方も変わってきます。
各レーザーの特徴について、詳しく解説していきます。
アレキサンドライトレーザー:濃く太い毛に効果的だが、日焼け肌にはNG
アレキサンドライトレーザーは、メラニン色素に強く反応するため、脇やVIOなどの濃く太い毛の脱毛に向いているレーザーです。日本人の肌質や毛質と相性がよく、美肌効果も期待できることから、多くの医療脱毛クリニックで使用されています。
アレキサンドライトレーザーの波長は、3種類の中で最も短い755nm(ナノメートル:10億分の1m)です。
メラニン色素(黒い色)に吸収されやすく、「肌の色素が薄くて毛が黒い」という一般的な日本人の肌質や毛質にぴったりの波長を持つレーザーともいわれています。
ただし、メラニン色素にしっかり反応するため、色黒の人や日焼けしている人などには照射できません。また、メラニン色素の少ない産毛には反応しにくいというデメリットもあります。
ダイオードレーザー:蓄熱式は産毛にも効果的で、痛みが少ない
ダイオードレーザーは、アレキサンドライトレーザーよりも波長の長いレーザーで、熱破壊式と蓄熱式の2種類があります。以下をご覧ください。
熱破壊式は、メラニン色素に反応して毛根にある毛母細胞を破壊します。剛毛の方でも高い脱毛効果が得られますが、産毛への効果は蓄熱式に比べやや弱いという特徴があります。
熱破壊式レーザーとは、高出力のレーザーを照射して発毛組織(毛乳頭・毛母細胞)を破壊する照射方法です。(中略)濃くて太い毛に効果はありますが、顔や背中のようなメラニン色素が薄い産毛には脱毛効果が実感しにくいこともあります。
一方、蓄熱式は低出力のレーザーを繰り返し照射して、発毛を促す組織「バルジ領域」を破壊する方法です。
蓄熱式は、低出力のレーザーを繰り返し照射することで皮下に熱を蓄積させ、発毛の指令を出す「バルジ領域」という組織にダメージを与えて脱毛する方法です。(中略)施術時の痛みが少なく、褐色肌の方や産毛などの薄い毛の脱毛にも対応できるというメリットがあります。
メラニン色素に反応する方法ではないので、ほくろや色黒・日焼け肌にも照射でき、産毛にも効果的です。他のレーザーに比べ痛みが少ないことも、特徴の一つです。
ヤグレーザー:しぶとい太い毛に効果的だが、痛みが強い
ヤグレーザーは、3つのレーザーの中で最も波長が長く、肌の奥まで届きやすいため、脇やVIOなどの根深い太い毛にも有効です。メラニンに吸収されにくいため、色素沈着している箇所や日焼け肌への照射も可能で、産毛に対しても効果があります。
YAGレーザーは波長が1064nmであり、他の2つのレーザーよりも波長が長いため、肌の深部に毛根がある毛にもアプローチしやすい点が特徴です。
また、メラニン色素への反応が弱いため、褐色肌や日焼け肌の方でも施術可能なケースがあります。
一方、肌の奥深くまで届く分、痛みが強いというデメリットも。そのため、初回から使用されることは少なく、他のレーザーで抜けきらなかったしぶとい毛に対して使われることが多いです。
ここまでをまとめますと、以下のようになります。
アレキサンドライト | ダイオード | ヤグ | |
波長 | 755nm | 800nm | 1064nm |
効果的な毛質 | 濃く太い毛 | 幅広い毛質に対応 | 濃く太い毛 |
産毛への効果 | △ 低い |
◎ 高い |
○ あり |
日焼け肌 | ✕ NG |
○ OK |
○ OK |
美肌効果 | ◎ 高い |
✕ なし |
○ あり |
痛み | △ 強い |
○ 少ない |
✕ 非常に強い |
代表的な脱毛機 | ジェントルレーズプロ | ソプラノアイスプラチナム メディオスターNeXT PRO |
ジェントルヤグプロ |
効果をしっかり得るためには、これらのレーザーの特徴を把握して、自分に合ったレーザーを導入している医療脱毛クリニックを選ぶことが大切です。
なお、各医療脱毛クリニックが、どのレーザー(脱毛機)を使用しているかについてもまとめたので、ぜひ参考にしてくださいね。
レジーナクリニック
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リゼクリニック
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フレイアクリニック
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アリシアクリニック
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エミナルクリニック
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リアラクリニック
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湘南美容クリニック
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ジェニークリニック
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ルシアクリニック
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グロウクリニック
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脱毛機 | ・ジェントルレーズプロ (熱破壊式アレキサンドライトレーザー) ・ソプラノアイスプラチナム (蓄熱式ダイオードレーザー) ・ソプラノチタニウム (蓄熱式ダイオードレーザー) |
・ラシャ (蓄熱式 / 熱破壊式ダイオードレーザー) ・メディオスターNeXT PRO (蓄熱式ダイオードレーザー) ・ジェントルヤグプロ (熱破壊式ヤグレーザー) |
・メディオスターモノリス (蓄熱式ダイオードレーザー) ・メディオスターNeXT PRO (蓄熱式ダイオードレーザー) |
・ソプラノチタニウム (蓄熱式ダイオードレーザー) ・スプレンダーX (熱破壊式アレキサンドライトレーザー / ヤグレーザー) ・ライトシェアデュエット (熱破壊式ダイオードレーザー) |
・クリスタルプロ (蓄熱式 / 熱破壊式ダイオードレーザー) | ・メディオスターNeXT PRO (蓄熱式ダイオードレーザー) | ・ジェントルレーズプロ (熱破壊式アレキサンドライトレーザー) ・オリジナルIPL (光) 脱毛機 |
・ソプラノアイスプラチナム (蓄熱式ダイオードレーザー) | ・ジェントルレーズプロ (熱破壊式アレキサンドライトレーザー) ・ジェントルマックスプロ (熱破壊式アレキサンドライトレーザー / ヤグレーザー) ・ベクタス (熱破壊式ダイオードレーザー) |
・ソプラノチタニウム (蓄熱式ダイオードレーザー) |
医療脱毛と脱毛サロンの効果の違いは?
「医療脱毛と脱毛サロン、どちらに通おう…?」と悩まれている方も多いですよね。そもそも、何が違うのかよくわからないという方もいるかもしれません。
そこで、両者の違いについて明確にしていきましょう。以下をご覧ください。
脱毛サロンで使用する光はパワーが弱く、毛根や周辺組織を破壊できないため、減毛・抑毛の効果に留まります。効果が穏やかに現れるため、医療脱毛よりも多い回数の施術が必要となります。
一方で、医療脱毛は高出力のレーザーで毛根にダメージを与え、毛乳頭などの発毛組織を破壊します。これはクリニックのみに認められた「医療行為」で、高い脱毛効果があるのが特徴です。しかし、強いパワーで照射する分、脱毛サロンに比べて痛みが強いという側面もあります。
確実な脱毛効果が認められているのは毛を生やすもととなる組織(毛母細胞、毛乳頭)を破壊できる医療レーザー脱毛だけです。
エステサロンで毛乳頭を破壊すると医師法違反になるため、光脱毛では毛乳頭にダメージを与えることしかできません。効果は一時的な減毛効果にとどまります。
効果の高さで選ぶなら医療脱毛がおすすめですが、痛みが心配な場合は脱毛サロンを選ぶといいですね。
医療脱毛で永久脱毛は可能?
医療脱毛では、永久脱毛が可能とされています。
「永久脱毛」と聞くと、「一生毛が生えてこない」というイメージを持つ方もいるかと思いますが、実はそうではありません。永久脱毛の定義は、以下の通りです。
「永久脱毛」という言葉の定義について、アメリカの電気脱毛協会(American Electrology Association)は、「最終脱毛から1ヶ月後の毛の再生率が20%以下である脱毛法」だと示しています。
つまり、永久脱毛は「永久に毛が生えてこない」という意味ではなく、「毛の再生率が20%以下の状態をキープする」ことで、また毛が生えてくることもあるということです。
また、永久脱毛はレーザー脱毛を行えるクリニックのみで受けられます。脱毛サロンの光脱毛や、家庭用脱毛器でのセルフ脱毛でも毛量を減らすことはできますが、永久脱毛ほどの高い効果はありません。
より高い脱毛効果を求める方は、医療脱毛を選ぶといいでしょう。
医療脱毛で効果を実感できなければ返金できる?
医療脱毛の効果が実感できなかった場合、支払った料金が返金されるのか心配な方も多いでしょう。
残念ながら、既に施術を終えた分を含めた全額が返金されることはめったにありません。この場合は、途中解約という形を取り、未消化分の回数の料金から解約手数料を差し引いた額が返金されることが多いです。
ただし、医療脱毛クリニックによって解約が可能な期間と手数料が異なるので、契約の前によく確認しておきましょう。
なおローンを組んでいる場合は、既に支払った分割手数料は返ってこないので注意してくださいね。