介護脱毛は必要? メリット・デメリット、料金や施術期間まで徹底解説
近年、「介護脱毛」というキーワードが40代~50代の女性を中心に注目を集めています。
脱毛というと、美容の一環としてやるものというイメージがある人も多いと思います。実は、高齢化が進み、誰もが介護される可能性のある現代の日本では、「介護に備えた脱毛」も普及しつつあるんです。
しかし、介護脱毛とは一体どんなものなのか、どんなメリットがあるのかなど、わからないことがたくさんある人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、介護脱毛についての基礎知識から、メリット・デメリットまで詳しく解説します。
介護脱毛とは?
「介護脱毛」とは、「介護されるときのためにデリケートゾーンを脱毛すること」です。
脱毛部位はビキニラインのVライン、性器周辺のIライン、肛門周辺のOラインの3箇所で、総称してVIOと呼ばれます。
介護脱毛は実際に介護されるようになってから受けるのではなく、現役世代のうちに行う将来に向けた準備の一つ。介護脱毛を受けておくことで、介護士の負担を軽減できるほか、自分自身の不快感解消にも繋がります。
介護脱毛をする40歳以上の女性は10年で75倍に
老後準備の一つである介護脱毛のニーズは、年々増加しています。実際に、医療脱毛のリゼクリニックでは、VIO脱毛を契約した40歳以上の女性患者数が、10年間で約75倍にも増加したそうです。
『介護脱毛』の認知度は年々増加し、実際に、開院年である2010年9月から2020年8月末にかけて、「アンダーヘア脱毛を契約された40歳以上の女性患者さま数」はここ10年間で【75倍(75.0倍)】と右肩上がりに伸びています。
介護脱毛をする理由は人それぞれですが、やはり一番多いのは「介護士の負担を軽減したい」という理由です。
VIOに毛があると排泄物が毛に絡まり拭き取りにくいため、排泄介助に手間や時間がかかってしまいます。介護される側も恥ずかしさや申し訳なさを感じたり、うまく拭き取れないことで肌トラブルを起こしたりと、精神的にも肉体的にも負担がかかることも。
こうした介護の実情に触れることで、介護職の方や親の介護を経験した方などを中心に、介護脱毛を決意する方が多いようです。
また、近年は介護脱毛の認知度が高まり、女性だけでなく男性も施術を受ける人が増えてきました。例えば、お笑いタレント・ロンブーの田村淳さんも、年老いたときに備えて介護脱毛をしている一人。コンビで運営するYouTubeチャンネルで介護脱毛を受ける様子を公開し、注目を集めました。
しかし、介護脱毛は、場合によってはできないこともあるんです。介護脱毛を受けられる条件について、この後詳しく説明します。
介護脱毛は白髪になる前に施術する必要がある
「介護脱毛に興味があるけど、今はまだいいや」と考えている人も多いかもしれません。しかし、実は介護脱毛には「受けられるリミット」があるんです。
介護脱毛は、白髪になる前、つまり黒い毛の状態で施術を受けなくてはいけません。
なぜ白髪は介護脱毛ができないのかというと、それには脱毛の仕組みが関係しています。ここでは、クリニックで行われる医療脱毛を例にとって見てみましょう。
脱毛の施術では、脱毛機を肌に当てレーザーや光を照射し、黒い毛に含まれているメラニン色素に反応させます。すると熱が発生し、その熱によって毛根組織を破壊、またはダメージを与えることで毛の再生を防ぎます。
しかし、白髪にはメラニン色素が含まれていないため、たとえレーザーや光を照射しても反応せず、効果が得られないんです。
医療レーザー脱毛やエステサロンの光脱毛は、黒い色素であるメラニンに反応するレーザーや光を照射して、毛根にダメージを与える脱毛方法です。メラニンの存在しない白髪には、レーザーや光が反応しないため、十分な脱毛効果が得られません。
そのため、介護脱毛を希望するなら、まだ毛が黒いうちに受けておかなければなりません。先延ばしにしていると、白髪が増えて施術できなくなるケースもあるため注意してくださいね。
また、脱毛サロンの「光脱毛」、お家でできる「家庭用脱毛器」でも仕組みは同じです。光脱毛も家庭用脱毛器も、白髪になってしまうと脱毛効果は得られないことを覚えておきましょう。
介護脱毛の3つのメリット
介護脱毛にはさまざまなメリットがあります。代表的なものは、以下の3つです。
- 排泄介助がしやすくなる
- 陰部のかぶれなどが予防できる
- デリケートゾーンの匂い軽減
では、それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
1. 排泄介助がしやすくなる
先ほど少し触れた通り、排泄介助がしやすくなるのは介護脱毛の大きなメリットです。
年齢を重ねるにつれ、自力ではトイレに行けなくなり、オムツが必要になる方がいます。また、排泄は自分でできてもうまく拭き取れず、介護士の手を借りるケースも多いです。
このような場合でも、介護脱毛を受けていれば介護士の負担を大きく軽減できます。デリケートゾーンに毛がなければ排泄物を拭き取りやすく、介護士は少ない労力できれいに清拭できるためです。状態の確認もしやすいので、拭き残しがないかチェックする時間も短く済むでしょう。
排泄介助が楽になれば介護士が喜ぶだけでなく、介護される人も恥ずかしさや相手に対する申し訳なさが和らぐはずです。
2. 陰部のかぶれなどが予防できる
デリケートゾーンは排泄物が毛に付着しやすく、感染症や肌トラブルが多い部位です。
特に介護時は、きれいに拭いたつもりでも排泄物が毛や肌に残り、炎症を起こすことも。それだけでなく、拭き残しを防ごうとゴシゴシ擦るのが刺激となり、赤みやかぶれを起こすケースも珍しくありません。
介護士たちが丁寧にケアしても、年齢を重ねるにつれ免疫力は低下するため、一度炎症を起こすと治りにくいのも事実です。
しかし、介護脱毛を受けて排泄物を簡単かつきれいにケアできれば、そのような肌トラブルを予防できます。介護脱毛は、いつまでも健やかでいるための工夫の一つとも言えるでしょう。
3. デリケートゾーンの匂い軽減
毛が多いデリケートゾーンは、排泄物が毛に絡んだり、汗でムレたりして、どうしても匂いが気になりがち。特にオムツは布の下着よりも通気性が悪く、嫌な臭いがこもりやすいです。
嫌な臭いが発生する原因は、ムレによって繁殖した雑菌によるもの。ムレや雑菌は悪臭や不快感を引き起こすだけでなく、時には感染症のリスクを高める危険性もあります。
しかし、介護脱毛で毛をなくしておけば、デリケートゾーンのムレを軽減し、匂いや感染症予防にも繋がります。雑菌が繁殖しにくい環境を整えることで衛生面も保たれるので、肌トラブル防止にも効果的です。
介護脱毛の3つのデメリット
介護脱毛は魅力的なメリットがある反面、実は以下のようなデメリットも存在します。
- 脱毛完了までに時間がかかる
- 恥ずかしさを感じる
- 施術に痛みを伴う
脱毛を始めてから後悔しないためにも、デメリットについてもよく理解しておきましょう。
1. 脱毛完了までに時間がかかる
VIOは、腕や脚に比べると毛量が多く毛が太いため、脱毛完了までに時間がかかります。脱毛完了までにかかる時間は、毛量やどこまで脱毛するか、クリニックかサロンかによっても異なりますが、一般的には1~2年が目安です。
医療脱毛 | 脱毛サロン | |
自己処理が不要になるまでの回数 | 5〜8回 | 8〜12回 |
通う期間 | 1年以上 | 1年半以上 |
脱毛完了までに時間がかかるのは、脱毛は毛が生え変わる周期(毛周期)に合わせて、一定の感覚を空けて施術する必要があるためです。
脱毛を行うには、毛の生え変わりのサイクル「毛周期」に合わせて施術を受ける必要があります。
医療脱毛や美容脱毛は、毛周期の中でも「成長期」の時期に効果があるためです。
成長期のタイミングを踏まえて脱毛施術を受けることが適切な脱毛周期となります。
脱毛の施術は、最もメラニン色素の多い「成長期」を迎えた毛に効率良く照射を行うため、2〜3ヶ月の間隔を空けることが多いです。
自己処理がいらなくなるレベルまで脱毛をするには、医療脱毛クリニックでは5〜8回、脱毛サロンでは8~12回施術が必要です。そのため、少なくともクリニックでは1年、脱毛サロンでは1年半は通い続けなければなりません。
つまり、すぐに効果が得られるわけではないので、時間の余裕があるときに前もって脱毛しておくことが重要と言えますね。
2. 恥ずかしさを感じる
介護脱毛の施術を受けるためには、看護師やスタッフにデリケートゾーンを見せる必要があります。普段、人に見せないデリケートゾーンを見られることに、抵抗感や恥ずかしさを感じる人もいるでしょう。
しかし、介護脱毛の施術は全裸で恥ずかしい体勢を強要されるわけではありません。
服装は上半身は私服のまま、下半身は紙ショーツを着用し、ガウンやタオルをかけて施術するのが一般的です。照射中も下半身が丸見えにならないよう、紙ショーツやガウンをずらしながら施術してくれます。
例えば、Vラインは以下のような体勢で施術します。
Vラインは仰向けに寝転び、軽く足を広げるだけ。デリケートゾーンが丸見えということはありません。
また、多くの人が恥ずかしいと思われるOラインは、以下のような体勢で施術します。
Oラインは、うつ伏せまたは横向きに寝転び、片脚を曲げた状態で施術します。クリニックやサロンによって体勢は若干異なりますが、四つん這いになることは少ないです。
他人にVIOを見られるだけで恥ずかしいかもしれませんが、看護師やスタッフは脱毛のプロ。1日に何人も施術しているので、利用者のVIOの色や形を気にすることはありません。介護脱毛が恥ずかしいのは誰でも同じであり、スタッフはその気持ちを十分理解してくれているので安心してくださいね。
3. 施術中に痛みを伴う
皮膚が薄く神経が集中しているVIOは、全身の中でも特に痛みを感じやすい部位です。我慢できないほどではないという人が多いですが、輪ゴムで強めにはじかれたような痛みを感じることがあります。
特に介護脱毛を始めてすぐの頃は、毛量が多いだけでなく緊張して過敏になっていることもあり、強い痛みを感じやすいでしょう。
しかし、クリニックの医療脱毛なら希望すれば麻酔も使用可能です。ただし、クリニックによって麻酔代が発生する場合もあるため、よく確認しておきましょう。
レジーナクリニック
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リゼクリニック
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フレイアクリニック
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アリシアクリニック
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エミナルクリニック
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リアラクリニック
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湘南美容クリニック
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ジェニークリニック
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ルシアクリニック
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グロウクリニック
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麻酔代 | 麻酔クリーム:無料 | 麻酔クリーム:1回3,300円 笑気麻酔:30分3,300円 |
麻酔クリーム:無料 | 麻酔クリーム:1部位3,300円 笑気麻酔:1回11,000円
笑気麻酔は池袋院・銀座6丁目院のみ
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麻酔クリーム:1本3,000円 | 麻酔の使用なし | 麻酔クリーム:1本2,000円 笑気麻酔:1部位2,200円
麻酔クリームはVIOのみで、事前に塗ってくる必要あり
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麻酔クリーム:1本3,300円 | 麻酔クリーム:1回3,300円 | 麻酔クリーム:無料
VIOとワキのみ
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こちらは、大手医療脱毛クリニックの麻酔代をまとめた表です。痛みに弱く、麻酔を使用する可能性が高い人は、あらかじめ麻酔代が無料のクリニックを選ぶといいですね。
また、脱毛サロンの光脱毛では麻酔は使用できませんが、痛みは医療脱毛よりも少ないです。それでも人によっては強い痛みを感じることもあります。
痛みを緩和するためには、肌や体調を整えておくことも大切。コンディションが悪い状態で施術を受けると、痛みを感じやすくなるからです。
日頃から肌の保湿を徹底しておくことはもちろん、寝不足や空腹時、生理前の施術を避けることも覚えておきましょう。
介護脱毛はどこまで行うべき?
介護脱毛では、デリケートゾーン全ての範囲が脱毛可能です。
特に介護時に邪魔になりやすいIラインとOラインは全て脱毛する人が多いですが、Vラインはどこまで脱毛すべきか悩んでしまいますよね。
Vラインは温泉などで人目につくことから、全てツルツルにするのは抵抗がある人も多いでしょう。Vラインのデザインには、全てツルツルにする「ハイジニーナ」以外にも、さまざまな形があります。
このように、Vラインのデザインには自然に近い形の「ナチュラル」や「トライアングル」、スタイリッシュな「スクエア」などがあります。
しかし、どんなデザインがいいのか悩んでも、他人のVラインに注目することはほぼないですし、デリケートな部位だけになかなか話題にもしづらいですよね。
そこで、VIO脱毛経験者100人に、どんなVラインのデザインを選んだのかヒアリングしてみました。
VIO脱毛経験者が選んだVラインの形は?
VIO脱毛経験者100人に選んだVラインのデザインについて聞いたところ、一番人気は自然な形に整える「ナチュラル」でした。次いで支持されたのは、小さな逆三角形に毛を整える「トライアングル」で、やはりVラインは少し毛を残す自然に近いデザインが人気のようです。
排泄介助しやすいのは完全無毛の「ハイジニーナ」ですが、一度脱毛してしまうと「やっぱり毛を残せばよかった」と思っても、元に戻すことはできません。
そのため、不安ならまずはナチュラルやトライアングルを選ぶといいでしょう。追加施術を受ければハイジニーナにすることもできるので、最初は脱毛範囲の狭いデザインを選んでおくと安心ですね。
まとめ:介護脱毛は必要?
介護脱毛は、絶対にしなくてはならないものではありません。しかし、介護士さんの負担軽減や衛生面を考え、「将来への自己投資」として始めるのも一つの方法です。
最後に、この記事でお伝えした介護脱毛のポイントをおさらいしておきましょう。
- 排泄介助の際の拭き取りや清拭が楽になる
- デリケートゾーンのかぶれや匂いのリスクを軽減できる
- レーザーや光は黒い毛に反応するため白髪は脱毛できない
- 脱毛時は痛みや恥ずかしさを感じるほか、脱毛完了までに時間がかかる
介護脱毛に興味がある人は、この記事をきっかけに施術を検討してみてはいかがでしょうか?
VIO脱毛でおすすめの医療脱毛クリニック・脱毛サロンについては、以下の記事で紹介しています。どのクリニック・サロンに行けばいいか迷っている方は、ぜひご覧ください。