脱毛サロンや医療脱毛クリニックで脱毛の施術を受ける前には、あらかじめ施術部位の自己処理を行います。

しかし脱毛が初めての場合、どのように自己処理をしたらいいかわからないという人も多いのではないでしょうか?

実は、自己処理は脱毛の施術において非常に重要な役割を果たします。自己処理を適当にしていると、思うように脱毛の効果が得られなかったり、脱毛の施術自体を断られたりすることもあるんです。

そこで今回は、脱毛前の自己処理を上手に行う方法を徹底的に解説していきます。

目次
  1. 脱毛前の自己処理が必要な2つの理由
  2. 部位別に解説! 正しい自己処理の方法
  3. 脱毛前の自己処理のポイント5つ
  4. 見えにくい部位はどこまで自己処理すべき?
  5. 脱毛後いつから自己処理をしていいの?
  6. まとめ:脱毛前の自己処理は肌へのダメージを最小限に

脱毛前の自己処理が必要な2つの理由

そもそも、なぜ脱毛の施術前に自己処理をしなければならないのでしょうか? その理由は、以下の2つです。

脱毛前の自己処理が必要な理由
  1. 脱毛効果を高めるため
  2. ヤケドなどの肌トラブルを避けるため

それぞれの理由について、詳しく解説していきます。

1. 脱毛効果を高めるため

脱毛前にしっかり自己処理をしておくことで、脱毛効果を高めることができます。

まずその前提として、脱毛の仕組みについて説明していきます。

脱毛サロンの光脱毛の仕組み

こちらの図は、脱毛サロンで行われる光脱毛の仕組みを説明したものです。照射パワーの違いはありますが、クリニックで行われる医療脱毛も基本的な仕組みは同じです。

脱毛機の光やレーザーは、「黒い部分(メラニン色素)」に反応します。肌に照射をすると、毛の黒い部分に反応し、熱を与えられた毛根がダメージを受けて毛が抜け落ちるという仕組みです。

レーザーが毛の黒い色に反応することで、毛を生やす組織を熱破壊するというのが医療レーザー脱毛の基本的な仕組みです。
発毛組織が破壊されてしまえば、その毛穴から毛が再生することはありません。

「毛のメラニンに反応させて熱を生み出し、毛を生やす組織にダメージを与える」という仕組みは、エステや脱毛サロンで行われている光脱毛も同じです。
ただし、光脱毛には発毛組織を「破壊」するほどの力はないという違いがあります。

しかし、自己処理が不十分で毛が長いままでは、本来毛根に与えるべき熱エネルギーが、毛根から毛先にかけて分散されてしまいます。すると、発毛組織に十分なダメージが与えられず、脱毛効果が落ちてしまうことに。

脱毛効果を高めるためにも、抜かりなく自己処理を行わなければなりません。

2. ヤケドなどの肌トラブルを避けるため

脱毛機の光やレーザーはメラニン色素に反応するため、毛根だけでなく皮膚の表面に出ている毛にも反応してしまいます。

つまり、自己処理が不十分なまま照射をすれば、必要以上に熱が発生してしまい、ヤケドをするおそれがあります。そのようなリスクを避けるため、施術部位の自己処理が不十分だと施術ができないことも。

剃り残しがある場合は、有料でシェービングをしてくれるクリニック・サロンもあります。しかし、不要な出費を避けるためにも、自己処理はきちんとしておきましょう。

部位別に解説! 正しい自己処理の方法

自己処理は、ただ適当に剃ればいいというわけではなく、正しい方法で行うのが重要です。

多くの人が処理が難しいと感じるVIOをはじめ、顔や腕・脚の自己処理についても、部位別に詳しく解説していきます。

VIOの自己処理の方法

VIOの自己処理は最も難しいでしょう。特に目で確認しにくいOラインや、粘膜に近いIラインは、誤った自己処理をすると肌を傷つけてしまい、施術できなくなる可能性も。

VIOは肌がデリケートな部位であるため、電気シェーバーの使用をおすすめします。なおボディ用の電気シェーバーでは肌にダメージを与えてしまう可能性もあるため、VIO用か顔用の電気シェーバーを使いましょう。

Vライン

Vラインは、はじめから電気シェーバーで剃るのではなく、まずはハサミかヒートカッターで毛を短く整えるようにしてください。

ただし、目指す仕上がりによって自己処理の方法が異なります。ハイジニーナ(無毛)にする場合は、1~1.5cmくらいに短く整えた毛を、電気シェーバーで全剃りします。

ハイジニーナではなくある程度毛を残したい場合は、1.5~2cmくらいに短く整えたあと、脱毛したい部分だけ電気シェーバーで剃ります。Vラインがきれいに左右対称となるよう鏡でチェックをしながら、少しずつ慎重に処理しましょう。

Iライン

Iラインのシェービング方法

Iラインのシェービングは、イスや台に片脚をのせて、真下に置いた鏡を見ながら行いましょう。

Iラインもハイジニーナ(無毛)にする場合は、1~1.5cmくらいに短く整えた毛を、電気シェーバーで全剃りします。この時、たゆんでいる皮膚を引っ張って伸ばすと、処理がしやすくなります。

ある程度毛を残したい場合は、1.5~2cmくらいに短く整えたあと、いらない部分だけ電気シェーバーで剃ります。自然に仕上げるコツは、Vラインとの境目になるIラインの前方を3分の1ほど残すことです。Vラインから繋がって徐々に細くなるようにすると、きれいに仕上がります。

Oライン

Oラインのシェービング方法

Oラインを処理する際は、鏡を真下に置き、鏡を跨ぐようにしゃがみ込むと剃りやすくなります。

皮膚の凹凸が多い部位なので、Iライン同様、肌を引っ張りながらシェービングをしていきましょう。

顔の自己処理の方法

顔は皮膚が薄くてデリケートな部位であり、肌への負担をできるだけ軽減しながら自己処理を行うことが大切です。

まず、蒸しタオルやスチーマーで肌を柔らかくしておきましょう。そして、顔全体にローションや乳液を塗ってから顔用の電動シェーバーで優しく剃っていきます。

剃る方向と反対に肌を軽く引っ張ると、産毛が立つので処理がしやすくなります。上から下、内から外というように毛流れに沿って剃るようにしましょう。

同じ場所に何度もシェーバーを当てると肌が傷ついてしまうので、なるべく1回で剃れるよう丁寧に処理してください。

腕・脚の自己処理の方法

腕や脚は範囲が広いので、カミソリで一気に剃っている方も多いと思いますが、できれば肌に優しい電気シェーバーを使うことをおすすめします。

腕は伸ばしながら剃ることで、剃り残しなくスムーズに処理ができます。裏面や肘などは見えにくいので、洗面台などの鏡でチェックしながら剃るようにしましょう。

脚も同様に、裏面などの見えにくい部分は剃りたい場所の下に鏡を置き、チェックしながら剃っていくといいでしょう。

脱毛前の自己処理のポイント5つ

ここまで、部位別に自己処理の方法を解説してきました。しかし、脱毛前の自己処理には、注意すべきことがまだあります。

どの部位にも共通する脱毛前の自己処理のポイントは、以下の5つです。

脱毛前の自己処理のポイント
  1. 自己処理は施術前日までに済ませる
  2. 毛の流れに逆らって剃らない
  3. 明るい場所で丁寧に剃る
  4. 毛が目立たない程度の長さまで剃る
  5. 自己処理後はしっかり保湿する

それでは、各ポイントについて詳しく解説します。

1. 自己処理は施術前日までに済ませる

脱毛の施術を受ける際は、前日までに自己処理をしておく必要があります。

当日だと、自己処理によって敏感になった肌へ施術を行うことになるため、肌への負担が増えてしまいます。時間に余裕がなくて自己処理が雑になってしまうと、剃り残しがあったり、肌を傷つけてしまうおそれもあります。

反対に、自己処理から施術までの期間が3日以上空いてしまうのもNGです。毛が伸びてきてしまい、ヤケドなどの肌トラブルのリスクが高まってしまいます。

よって、自己処理は、施術の1〜2日前に行うようにしましょう。

2. 毛の流れに逆らって剃らない

深剃りをするために毛流れに逆らって自己処理をしている方も多いと思います。しかし、逆剃りは肌への負担が大きく、肌荒れや「埋没毛」などを引き起こす可能性も。

毛の流れに逆らって処理したり、電気シェーバーを肌に強く押し当てて毛を剃ったりすると、肌が傷つき、皮膚の中に毛が埋もれる埋没毛(まいぼつもう)を引き起こす可能性があります。

こうしたトラブルを防ぐため、シェービングをする際は毛の流れに沿って剃ることが大切です。

脱毛前の自己処理は毛の流れに沿って剃る

このように毛の流れに沿って剃ることで、肌への負担を軽減できます。

また、敏感肌の人はより刺激の少ないVIO専用・フェイス専用の電気シェーバーを利用することをおすすめします。

3. 明るい場所で丁寧に剃る

自己処理をする際は、明るい場所で丁寧に剃るようにしましょう。暗い場所で剃ると、薄い毛や産毛が見えにくく、剃り残しの原因となってしまいます。

お風呂や洗面所で自己処理をしている方も多いと思いますが、照明が暗いのでおすすめしません。新聞紙などを敷き、リビングなど明るい場所で行うのがベターです。

4. 毛が目立たない程度の長さまで剃る

自己処理をする際は、全く毛が見えないツルツルの状態に仕上げる必要はありません。毛がポツポツを顔を出している程度であれば問題ないので、深剃りをしなくても大丈夫です。

クリニックやサロンによっては、毛が2mm以下になるようにと指定される場合もありますが、基本的に、ムダ毛がほとんど目立たない程度になっていればOKです。

5. 自己処理後はしっかり保湿する

正しい方法で自己処理を行ったとしても、少なからず肌にダメージを与えているため、自己処理後にはしっかりと保湿しましょう。

シェービングが終わったら、濡らした冷たいタオルやガーゼでくるんだ保冷剤などで肌をクールダウンした後に、オイルやクリームでしっかりと保湿をします。特にVIOは肌荒れを起こしやすい部位なので、他の部位よりも丁寧に保湿してください。

しっかり保湿しておくと肌のバリア機能を高めることもできるので、脱毛効果アップも期待できます。自己処理後の保湿が不十分だと肌が乾燥してしまい、痛みや肌トラブルを引き起こす危険性が高まります。

乾燥が原因で痛みが強く感じられる場合は、レーザーの照射出力を下げて施術を行うこともあります。しかし、照射出力を下げると、レーザー照射時に発毛組織を破壊できるほどの熱が発生せず、施術効果を得にくくなることもあります。

肌トラブルが起きている場合は、脱毛の施術自体を断られてしまう可能性もあるため、忘れずに保湿しましょう。

見えにくい部位はどこまで自己処理すべき?

背中やうなじ、Oライン、Iラインなどは見えにくく、手が届きにくいので自己処理が難しい部位です。

このような部位は、無理して自己処理を行う必要はありません。ほとんどのクリニックやサロンでは、手の届かない部位はシェービングを無料で行ってくれます。

また、無料でない場合でも、無理な自己処理で肌にダメージを与えるくらいなら、シェービング代を支払う方が長期的に見てメリットは大きいでしょう。

各医療脱毛クリニック・脱毛サロンのシェービング代を以下にまとめました。

医療脱毛クリニックのシェービング代

手の届かない部位のサポート無料 手の届かない部位のサポート無料 手の届かない部位のサポート無料 えり足・背中・腰・Oラインのサポート無料
その他部位は1回4,400円 (要予約)
うなじ・背中・腰・お尻のサポート無料、剃り残し5分間無料 背中・うなじ・Oラインのサポート無料 剃り残し10分間無料 えり足・背中・ヒップ・Oラインのサポート無料 手の届かない部位のサポート無料 手の届かない部位のサポート無料

脱毛サロンのシェービング代

えり足・背中・腰・ヒップ・ヒップ奥のサポート無料
電気シェーバーを持参する必要あり
手の届かない部位のサポート無料
月額制プランは1回1,100円
背中・うなじ・Oライン・ヒップのサポート無料
U-19応援プランは1回1,100円
うなじ・背中・腰・おしりのサポート無料
月額制プラン、その他部位は1部位880円
手の届かない部位 (うなじ・えり足・背中など) のサポート無料
電気シェーバーを持参する必要あり
その他部位は1部位1,100円
えり足・背中上・ワキ・VIOのサポート無料
ワキとVIOは電気シェーバーを持参する必要あり
えり足・背中上下・ヒップ奥のサポート無料 (剃り残しのみ) シェービングサービスなし 顔・VIO以外のサポート無料 (剃り残しのみ)
指定の電気シェーバーを持参する必要あり
シェービングサービスなし

プラン料金だけでなく、シェービング代についても事前にチェックしておくといいですね。

脱毛後いつから自己処理をしていいの?

脱毛の施術後にデートや海水浴などの予定がある場合、ムダ毛の自己処理をせずに行くのは恥ずかしいですよね。

しかし、脱毛の施術後にすぐ自己処理をするのはおすすめできません。施術後最低3日間は、自己処理を控えるようにしましょう。

脱毛後に効果が現れるのは施術から2~3週間後ですので、施術後すぐにムダ毛がなくなるわけではありません。しかし、脱毛してから最低3日間は、肌がダメージを受けて敏感な状態になっていますので、カミソリはもちろん電気シェーバーなどでの自己処理をすることは控えましょう。

施術直後は光やレーザーが照射により熱が皮膚の中にこもり、乾燥しやすい状態になっています。乾燥が進むと、皮膚を保護するバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすいデリケートな状態になってしまいます。

肌トラブルを避けるためにも、脱毛の施術日との間隔を3日以上は空けられるように予定を組むようにしましょう。

まとめ:脱毛前の自己処理は肌へのダメージを最小限に

ここまで、脱毛前の自己処理の方法などについて紹介してきました。要点をまとめると、以下の通りです。

本記事のポイント
  • 脱毛前の自己処理は脱毛効果を高め、肌トラブルを防ぐために必要
  • 自己処理はその部位に合った正しい方法で行う
  • 毛の流れに沿って剃る、保湿をするなどのポイントを押さえておく

脱毛前の自己処理は、しっかり脱毛効果を得るためにとても重要な作業です。肌へのダメージを最小限にとどめるためにも、正しい方法で自己処理を行うようにしましょう。